瀬戸内海に面した岡山県西南部から広島県東南部にかけた地域には、倉敷ぶっかけ・鴨方手延べ麺・玉島しのうどん・笠岡ラーメン・新見いのししラーメン・新見千屋牛ラーメン・鞆の浦鯛そうめん・福山ラーメン・尾道ラーメンなど麺を使った食文化が多く存在し、一大麺エリアを形成しています。
岡山県の備中地域南部一帯は、昔から手延べ麺の産地として栄えてきました。
瀬戸内式気候は温暖で雨が少なく小麦の栽培に適していたこと、海が近く良質な塩が手に入りやすかったこと、製粉するための水力(川)があったことなどこの地域には製麺に適した条件が揃っていました。これらが製麺業者の密集地帯となった理由であったと考えられます。
また、うどん・そうめんだけではなく、廃鶏や魚など身近な食材をムダなく使った地ラーメン“笠岡ラーメン”も戦前から親しまれています。
高梁市では昭和50年代に学校給食で子供たちに大人気だったカレー風味の焼きそばを名産のトマトを加えてアレンジした「インディアントマト焼きそば」が新ご当地グルメとして愛されています。



一方、広島県の東南部一帯では、戦後に評判となった屋台ラーメンが尾道ラーメンとしてひろがり、鶏ガラスープをベースとした醤油味で豚の背脂ミンチを浮かせたラーメンスタイルが定着しており全国に知られています。
現在では、その系譜から生まれた福山ラーメンも地ラーメンとして認知されつつあります。
また、瀬戸内の新鮮な鯛の姿煮に、波に見立てたそうめんを盛り付けた、鯛そうめんなども縁起物として古くから親しまれています。
このように、それぞれの歴史のなかで様々な麺文化が独自の発展をとげながら混在している備中備後地域。このエリアには、倉敷・尾道・鞆の浦・笠岡諸島など魅力ある観光地も多くあります。名所・旧跡を巡りながら麺文化を堪能できる瀬戸内エリア、これが「備中備後麺の道」です。



(C)「ラーメンのまち笠岡全国展開プロジェクト」推進委員会